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【第2回】中間テスト PDCAが難しいのはどうして?

2017年5月

 5月になりました。これから中間テストを迎えるという人はきちんと計画「P」を立てられていますか。計画通りに実行「D」できていますか。中学生・高校生にとって、定期テストの学習はどういう形式で進めていくべきなのか、再度PDCAサイクルを使って確認していきましょう。既に中間テストが終わった人はまずテスト勉強の基本である以下のことがきちんとできていたのかチェックしてみてください。

 まず、皆さん計画「P」を立てる前に一番重要なことは何でしょうか。それは、「目標」を決めることです。今回は中間テストの学習計画を例に挙げていますから「中間テストで何点をとる。何位以上に入る」などの目標を決めておかなければいけません。
 なぜ目標が必要なのでしょう。テストには基本から応用までいろんな難度の問題が出題されます。ですから目標得点や順位によっては基本問題が解ければ大丈夫という人もいれば、応用問題までを解けるようにならなければ目標得点や順位に到達できないという人もいるのです。例えばテストで80点以上取りたいという人は、基本問題はもちろん多少の応用問題までをできるようにならなければいけません。基本問題を半分以上間違っていて目標を達成できるでしょうか。範囲のどのレベルの問題をどこまでできるようになっておかなければならないのか、そこを把握しておかなければ、テスト勉強の目指すべき完成度がわからなくなります。計画を立てる前に目標は必ず決めておきましょう。 

①Plan

テスト勉強をするうえで、生徒の皆さんから挙がる問題点として意外と多いのが「何をしたらいいかわからない」ということです。まず必要なのは今回のテストにはどんな内容が出題されるのかの確認です。そしてその範囲の問題を解けるようになろうと思ったら、どんな練習をする必要があるのか、練習にはどんな教材を使い、どのくらいの頻度でやればいいのかを確認し、決めていかなければなりません。
 次に何曜日のどの時間が使えるのかを確認します。自分はどの時間を使うことができるのかをしっかり確認しておきましょう。時間枠を決めたら、その時間の中でどの科目を練習するのかを決めていきましょう。

②Do

「P」で立てた計画を実行します。気を付けておかなければならないのはこの「D」の作業が一番挫折の危険をはらんでいるのです。今回はあくまで中間テストの勉強法についての説明なので、細かいことはまた来月以降で説明していきます。

③Check

「D」で問題練習をしたところで練習結果に対する「C」をしなければなりません。ここで必要になるのが「目標」なのです。目標がどのくらいだから練習の際にどれだけの完成度を目指すべきなのかが決められていれば、評価もしやすくなります。目標によって練習で目指すべき結果が満点なのか、8割以上なのか、それとも5割できれば充分なのか、評価基準が変わってきます。もちろん「C」の基準を下回っている場合は基準を上回るための新しい計画が必要になってきます。

④Action

「C」で出た結果をもとに改善をしなければなりません。「C」で基準を下回っていた場合、そこを克服するために必要なことは何なのかを確認しなければなりません。単に練習量が足りないのでしょうか。それとも基本からの理解が不十分なのでしょうか。不十分だとして、教科書や教材を読み返せば理解可能でしょうか。それとも先生の説明を受けなければいけないのでしょうか。そこを確認したうえで、再度「P」の作業になります。ほとんどの場合、「C」で悪い結果が出たら、もう一度やり直すといった作業をすることになると思いますが、そういうことも「P」の時点で考えておかなければなりません。


今月は中間テストのテスト勉強のやり方の例を「PDCA」サイクルで説明してみました。いかがでしょう。①P「やることを決めて」、②D「練習して」、③C「答え合わせをして完成度をチェック」、④A「結果が良かったら次へ・結果が悪かったら再チャレンジ」、まずはこれができなければいけません。「そのくらいなら普段からやってるよ」という人もいるでしょう。しかし、学年、学校によってはこの通りにやったのに、時間が足りずにすべての学習内容を復習しきれなかったという人もいるのではないでしょうか。どうしたら限られた時間で復習できるでしょう。どうしたら5科目をバランスよく勉強することができるのでしょう。テスト期間にやるべきこと、回すべきサイクルを確認できたのであれば、次はもっと広い範囲でサイクルをつくる必要があります。

 テスト勉強をするにあたり、理想とするスタイルはテスト発表時にテスト範囲の要点をきちんと把握し、基本問題がある程度まで解ける状態が作れていることです。どうしたらその状態が作れるでしょう。どうしたらその状態に近づくことができるでしょう。また、テスト期間中は誰もがテストで良い結果を出すために取り組んでいます。だとしたら、他の人と差をつけようと思ったらどこの時間を使えばいいのでしょう。

そう、重要なのはテスト期間に入るまでの期間の使い方なのです。

でも、普段は部活動や習い事があってなかなか時間がとれないという人も多いはずです。でもそこが変えられなければなかなか結果は変わりません。テスト発表より前から学習内容をしっかり理解してテスト準備をしていく計画も必要になってくるのです。しかし、部活動をやりながら、その計画をきちんと計画通りに進めることができるでしょうか。長期間続けることができるでしょうか。そう、PDCAサイクルは範囲を広くすれば広くするほど難しくなってくるのです。そこで、来月からはいよいよ普段からの学習姿勢の作り方にどうPDCAを活用していくかについて説明していきます。


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